店舗構築日記 2[冒険の書]
[冒険の書]
3月14日
その日は朝から雨が降る寒い日でした。
お金を財布に詰め込んで、三吉さんと流星号(仕事用マツダボンゴディーゼルターボ)で千葉の現場に向かいます。ところが、待ち合わせの時間にちゃんと着いたのに大家さん兼不動産屋のおじさんがいません。
その日はガスの手配と電気や水道を開ける手筈で現地集合という約束だったのに誰も来ていないのです。しょうがないので電話したら、自分で言い出したのに事務所で待ってたとか。兎に角来てくださいと話をして、ガス屋さんも改めて現地集合になりました。
ガス屋さんに家を見てもらい「ガスを引く場所を大凡に決めて工事は水道が来てからね」という事に。電気屋さんは来てくれたけどメーターがいくつもあって果たしてどれを使うやらです。それで、とりあえず生きてそうな二つを通電しましたが、肝心な居住区に電気が来てません。更に色々チェックしてもらったら、奥の居住区に行く電気のメーターが外されている事が判明。そりゃつくわけがありません。
この状態ではやりようもないので、これはあとで考える事に。
さっさと事務所に帰ってしまった大家さん兼不動産屋さんを追いかけて無事契約成立。あの340平米は無事アウトローブラザーズの賃貸物件になりました。嬉しいけどこれからの冒険を考えるといくらでも不安になれそうです。
現場に戻り早速作業を始めますが、外はそのうち季節外れの雪になりどんどん冷え込んで来ます。まずは倉庫になる予定の30畳の大広間に山積みになっている企業ゴミの片付けからだけど、電気が点かないのでバッテリー照明を使っての作業です。
この時点でまともなのは手前の十畳だけで、奥の二十畳は床が抜けている事が判明。当初の予定では隅に積み上げられた畳を戻して上にシートを張ってと簡単に考えていましたが、まずは床を再構築しなければならないというもっと手前のスタートに立つ事を余儀なくされたわけです。
この日はざっと全体の状況を把握するのとこの奥の部屋のゴミの片付けに手を付けた辺りで、すっかり暗くなってしまいました。この状況下で床を踏み抜き床下に住む魔物達に足を引っ張られて底無し沼に飲み込まれるという危険を避けるためにも、今日はもう作業を辞めましょうという事になりました。
でも、とてもじゃないけど泊まれるような状態ではありません。最寄りのネカフェを探しますが、きっちり20キロは離れてましたね。それでも、なんとかたどり着いたネカフェで一泊しました。
3月15,16日
朝ホームセンターに寄って、必要な資材や掃除道具などを確保、朝から作業に入り二階の居住区の掃除に入ります。ようやく来てくれた水道屋さんが水栓を開けてくれましたが、この時点で水は一階の店舗部分にしか来ていない事が判明。風呂場には水が来てなくて風呂まで水を引かなくてはいけない事がわかりました。
夜まで作業して、ネカフェで更にもう一泊。一階倉庫の整理と店舗部分に着手します。
店舗はスナックと寿司屋に分かれていて奥で繋がっています。様子を見に来てくれた向かいのお爺さん情報だと、「若い頃はスナックのママが社長で寿司屋は彼女が雇っていた板前に任せていたんだよ。この板前が酒が好きで飲ませると酔ってグダグダになって仕事にならず、面白くてどんどん飲ませるんだけどママにバレて怒られたなあ」って、
え、それは一体いつの話なの? つまりそのスナックが撤退してからどうもずっと空家だったらしいのがなんとなくわかったのですが、それがどうも20年は前の話らしいのです。
20年放置されてたの!? そりゃハクビシンも住みつくわけです。
スナックの嵩上げされた床をある程度解体して様子が見えて来たところで暗くなってしまったので、撤収。資金稼ぎのためにやっていたヤフオクが落札されたのでその梱包作業もありで一旦横須賀に戻りました。
続く
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